| 茶よりうた |
| 1 |
宇治はよいとこ 北西晴れて
東山風そよそよと
北西晴れて 東山風そよそよと
|
| 2 |
朝の早よから 弁当箱さげて
茶より通いはおもしろい
弁当箱さげて 茶より通いはおもしろい
|
| 3 |
親の意見と なすびの花は
千に一つのあだがない
なすびの花は 千に一つのあだがない
|
| 4 |
何の因果で茶よりを習ろた
乱れ髪とくひまもない
茶よりを習ろた 乱れ髪とくひまもない
|
| 5 |
お前一人か つれ衆はないか
つれ衆あとから駕籠でくる
つれ衆はないか つれ衆あとから駕籠でくる
|
| 6 |
狛は茶どころ 花は縁どころ
娘やりたや婿ほしや
茶は縁どころ 娘やりたや婿ほしや
|
| 7 |
雨が降らんしょが 照らんしょがままよ
わしの主さんうち仕事
照らんしょがままよ わしの主さんうち仕事
|
| 8 |
千両万両でかわりょか狛の
誰がつけたか千両岩
かわりょか狛の 誰がつけたか千両岩
|
| 9 |
鳴くな鶏 まだ夜はあけぬ
あけりゃお寺の鐘がなる
まだ夜はあけぬ あけりゃお寺の鐘がなる
|
| 10 |
お茶師番頭さんと より子さんと仇
仲のよいのはくせものや
より子さんと仇 仲のよいのはくせものや
|
| 11 |
どこのいずくへ いたかて殿へ
文のとりやりしょうじゃないか
いたかて殿へ 文のとりやりしょうじゃないか
|
| 12 |
女登れぬ 高野の山に
なぜに女松が育つやら
高野の山に なぜに女松が育つやら
|
| 13 |
主を持つなら ご近所でもちゃれ
雨の降る日は軒づたい
ご近所でもちゃれ 雨の降る日は軒づたい
|
| 14 |
同じうちもいや 並びもいやや
向い合わせの連ね格子
並びもいやや 向い合わせの連ね格子
|
| 15 |
茶よりしてでも 養うと言うたが
こんな茶よりでは養えぬ
養うと言うたが こんな茶よりでは養えぬ
|
| 16 |
敷島朝日が 五十銭しても
殿にきざみは吸わしゃせん
五十銭しても 殿にきざみは吸わしゃせん
|
| 17 |
思い出さずに 忘れておくれ
思うて添われる身ではない
忘れておくれ 思うて添われる身ではない
|
| 18 |
お日が暮れたら 会えるように思うて
ふくろう鳥かよ暮れを待つ
会えるように思うて ふくろう鳥かよ暮れを待つ
|
| 19 |
昼はぶらぶら 夜更りはしゃんと
蚊帳の吊り手かわしのこと
夜更りはしゃんと 蚊帳の吊り手かわしのこと
|
| 20 |
私みたよな 不器量なものと
添うてやるとは縁かいな
不器量なものと 添うてやるとは縁かいな
|
| 21 |
来るか来ぬかと 浜へ出て待てば
浜の松風そよそよと
浜へ出て待てば 浜の松風そよそよと
|
| 22 |
かげにいてさえ このように暑い
殿は晴天かなうまい
このように暑い 殿は晴天かなうまい
|
| 23 |
茶よりしてでも 養いまする
どうか私と添うておくれ
養いまする どうか私と添うておくれ
|